いろいろと資産運用商品を物色する客の中には、「大損の危険性を排除した上で、大儲けの可能性を追求したい」との都合のいい要望をもつ人も多く、そんな要望に応えて(そんな欲望のスキをつくために)開発された金融商品こそが、リスク限定型投資信託(リスク限定型ファンド)です。
広告の中には「小さなリスクで大きな値上がりが期待できます」と書かれており、大きく「リスク限定型株式投資信託」と表示されています。
その下に仕組みが述べられていますが、「オプション取引を活用」などとありますから、くわしく解説しようとするとむずかしい商品です。
要点だけを、図をみながら説明しましょう。
広告の細かな文字を読むと「株価下落時にも元本の90%を確保します」とあります。
また、運用期間は2年で、販売手数料は1.05%、信託報酬は年2.1%となっています。
たとえば、この投資信託で100万円を運用することにしましょう。
また、簡易計算をおこなうことにして、販売手数料(1.05%)と2年間の信託報酬(2.1%×2年)の合計を約5%とみて、5万円を運用終了時点に差し引くかたちで計算しましょう。
この手数料の件は、とりあえず忘れてください。
*本当は販売手数料だけは別に(最初に別に取られるものとして)計算すべきですが、説明を簡単にするために、ここでは信託報酬とあわせて、最後に差し引いています。
この投資信託の本質をわかりやすく述べると、運用会社は、客から受け取った100万円のうち95万円を安全確実な資産で運用します。
預金しておくと考えてもいいでしょう。
この95万円にはほとんど利息がつかないもの(簡易計算上の利息はゼロ)とします。
残りの5万円で株式のオプション取引″を中心とした運用をおこないます。
オプション取引では、かなりの確率で投資した全額を失いますが、運がよければ大儲けも可能です。
もっとも、実際の運用では、5万円全額を失う危険性を小さくするように工夫するでしょうから、その分だけ、運用が成功した場合でも、5万円が3倍を超える金額になる可能性は極めて小さくなるでしょう。
つまり、2年後には、ほとんどの場合で0〜15万円になっていると思われます。
安全に運用した95万円にこれを加えると、95〜110万円です。
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